深い眠りの行き着く先は永遠の死への誘いか、一時の生への洗礼か。どちらにしても何が待ちかまえようと人には必ず心地よい場所がありmす。自分を自分としてとりもどそうとした時、安心して身をゆだねられる場所、時の流れにさかわらず、なすがままの自分を受けとめてくれる場所。いつか年老いて、過ぎ去りし日を懐古する時、いったい何を懐かしみ、何を思い出すのであろうか。生命の誕生は、稀有の偶然の積み重ねだといわれます。であるならば僕がこの世に生まれたのも全くの偶然。今日このサンピエトロ寺院の回廊から空を眺めている瞬間も、何百万分の1の偶然の出来事なのかと思うと、とても心地よい、不思議な感覚に心動きます。