1976年。それは日本のベルエポックと言えるのでは?ベルエポックとは、フランスの人たちが失われた古い時代をなつかしんで読んだ、19世紀末から第一次大戦直前までの時代らしい。あらゆる芸術が一つになって渦巻いていた時代。
日本も戦争が終わり、国民の一人一人がまだ見ぬ幸せを夢見て、高度成長という階段をかけあがっていた時期。当時僕たち若者も、大人たちのひたむきな姿を、ある時はとても追いつけない気持で見ていたし、ある時は逆に反発する気持ちで見ていた。
いつの世も若者は、美しく、麗しい。僕も、過ぎゆく時、失われた時[ベルエポック]を限りなく惜しみ、古き美しき良き時代をもう一度見たいと想い、記憶の玉手箱から取り出してきました。